代表的な品種 デメキン他、一風変わった品種

デメキン(出目金)、チョウテンガン(頂天眼)

デメキン他、一風変わった品種

 

デメキン(出目金)

リュウキンの突然変異が固定されたもの。名前の通り大きく飛び出た目が特徴。
中国から伝来した年代については、江戸時代初期と明治の2説がある。

 

チョウテンガン(頂天眼)

デメキンの変種。ランチュウに似た体型だが、やや細長い。
上を向く様な飛び出た眼球が特徴。

 

スイホウガン(水泡眼)

角膜が肥大して、リンパ液が入った水泡ができてしまった品種。
破れるとまず再生しないため、飼育には注意が必要。英名は「バブルアイ(Bubble
Eye)」 。

 

チンシュリン(珍珠鱗)

通称はパールスケール、特にピンポン玉のようにまん丸な体型のものはピンポンパール
と呼ばれる。ピンポンパールと呼ばれる珍珠鱗は、プクプクとした愛らしい体系な為、金魚好きには人気があるようである。
半円形に膨らみ、逆立っているように見える鱗が特徴。名前の由来はこの鱗が「真珠」(中国語で「珍珠」)のように見えることから。
スイホウガンと掛け合わせて、頭に水泡を持つハマニシキ(浜錦)が近年生み出された。

 

チョウビ(蝶尾)

近年出回り始めた中国金魚で、尾が蝶のように広がった品種。特に、白と黒(もしくは赤と白)の更紗模様の個体はパンダチョウビ

オレンジの体色に黒いひれの個体はレッサーパンダと呼ばれ、いずれも需要に生産が追いつかないほど人気が高い。
日本に輸入されるほとんどが出目性の個体であるが、「蝶尾」という品種名は出目性のものに限定されるわけではない。

 

ヤナギデメキン(柳出目金)

ワキンの体型に長い吹流し尾とデメキンのような大きく飛び出た目をつけたような品種。

今の段階ではあまり評価されていないため選別段階で処分されることが多く、市場にはあまり出回っていない。

 

その他

この他にも非常に多くの品種が存在し、更に新品種・外国産品種が続々と追加されている。品種として確立していない場合でも
、流通の過程や小売店で便宜的に名称を与え、新品種のように扱われている場合もある。

代表的な品種 オランダシシガシラ系

リュウキンの変異種。

オランダシシガシラ系

リュウキンの変異種。鎖国時代長崎から入ったため「オランダ物」と呼ばれるが、
原産は中国である。「獅子頭」の名の通り肉瘤が発達し、体長も長くなった。一般に飼育しやすい。

 

オランダシシガシラ(和蘭獅子頭)

頭部の肉瘤が非常に発達している。手に入れやすく、飼育も簡単。

 

ジャンボ獅子頭(ジャンボオランダとも言う)

熊本県や長崎県など、主に九州地方で飼育されている品種。
体型や体色は普通のオランダシシガシラとほぼ同じだが、「ジャンボ」の名の通り、
非常に大きく成長するのが特徴。大きな個体では体長が50cm近くにまで達する。

 

アズマニシキ(東錦)

サンショクデメキンとの交配によるキャリコ柄。
英名は「キャリコオランダ」、エドニシキよりは遥かに安定している。

 

タンチョウ(丹頂)

オランダシシガシラの色変種。白い体と赤い頭部が丹頂鶴を思わせるので、この名を持つ。英名は「レッドキャップオランダ(Red Cap Oranda)」、中国語では「ホントウユイ(紅頭魚)」。

 

チャキン(茶金)

名前の通り、茶色い体色が特徴。頭部の肉瘤が発達するものとしないものとがある。
英名は「チョコレートオランダ(Chocolate Oranda)」、中国語では「紫魚(ツゥユゥイ)」。

 

セイブンギョ(青文魚)

「セイブン」とだけ言うこともある。キンギョでは珍しく、体色に青みがかっている。
特に腹部が白く退色した個体はハゴロモ(羽衣)と呼ばれる。

 

サクラアズマ(桜東)

ごく最近できた品種で、交配方法は謎に包まれている。
名前から推測するに、サクラニシキと同様、アズマニシキからの戻し交配かもしれない。
サクラニシキに似て淡いピンク色、残念ながら白銀のウロコは無いらしい。

代表的な品種 リュウキン系

ワキンの変異種。体調が短く丸みを帯び、尖った頭・豪華な尾が特徴。

リュウキン系

ワキンの変異種。体調が短く丸みを帯び、尖った頭・豪華な尾が特徴。

 

リュウキン(琉金、琉錦)

琉球経由で中国より渡来したことにより、この名がある。
ワキン同様、手に入れやすく丈夫で飼いやすい。シュブンキン同様、キャリコ柄もある。

 

タマサバ(玉サバ)

錦鯉の産地として知られる新潟県中越地方で生み出された品種。ずんぐりとした体型に、コメットのような長い吹き流し尾を持っているのが特徴。リュウキン系の品種であるが、動きはワキン並みに機敏。「錦鯉と一緒に泳げるキンギョ」として、池などで飼育されていることも多い。

 

トサキン(土佐金)

高知県の天然記念物。尾が反転している(そり尾)のが特徴。
当歳魚はすり鉢型の容器で飼育され、ふちに沿って泳ぐことにより、この独特な尾が形成される。
但し、この尾のために泳ぎが上手ではない上に水質の変化にも敏感なため、飼育は非常に難しい。
他種との混泳も避けた方がよい。リュウキンとオオサカランチュウとの交配により作出されたという説もある。

 

ミューズ

トサキンとアズマニシキの交配により近年生み出された品種。
トサキンに似た体型と透明鱗の白い体色、3つ尾が特徴。

代表的な品種 ワキン系

もっともフナに近い品種。丈夫で飼いやすい種類が多い。

ワキン系

もっともフナに近い品種。丈夫で飼いやすい種類が多い。

 

ワキン(和金、和錦)

中国から来た最初のキンギョ。フナに近い体型。もっとも手に入りやすく、丈夫で飼いやすい品種。
観賞用としては、更紗模様の三つ尾のものが好まれる。和金の子供で、体長3cm前後のものを小赤、5cm前後のものを姉金と称することもあり、縁日の金魚すくいなどでよく見られるほか、大型肉食性魚の生き餌として使われることもある。

 

コメット

アメリカから逆輸入という形で日本に入ってきたキンギョ。ワキン様の細長い体にすらりと伸びた鰭が美しい。
吹き流し尾と呼ばれる長い尾をなびかせて素早く泳ぐ姿が
彗星を連想させるためにこの名が付いた。手に入りやすく、丈夫で飼いやすい品種。

 

ショウナイキンギョ(庄内金魚)

大正時代に山形県の庄内地方で生み出された品種。体色は赤一色か更紗。
一見コメットに似るが体型はいくぶんか丸みを帯びており、尾びれの張りもあまり強くない。寒冷な気候に非常に強く、丈夫な品種。

 

シュブンキン(朱文金、朱文錦)

サンショクデメキンとの交配により、キャリコ柄になった品種。体型はコメットに近く、長く伸びた各鰭が特徴。手に入りやすく、丈夫で飼いやすい品種。なお、イギリスには特徴的な尾を持つブリストルシュブンキンBristol shubunkin)という品種のみを、熱心に飼育する愛好会も数多く存在する。

 

ジキン(地金、地錦)

ワキンの突然変異により、尾がX状に開いた(孔雀尾)品種。六鱗ロクリン)とも呼ばれる。
愛知県の天然記念物で、美しい体色を引き出すために人為的にうろこを剥いだり薬品を塗布するなどの方法で調色が行われる。
ワキン系の品種ではあるが、体質は弱く、飼育は非常に難しい。

 

オーロラ

シュブンキンとエドジキンの交配により近年生み出されたキンギョ。見た目はシュブンキンに近いが、
成長するに従い、更に大きく長く伸びるひれが特徴。まだ流通量が少ないため、とても珍しい品種。

代表的な品種 ランチュウ系

ランチュウ系

ランチュウ系

背びれが無くなってしまった品種。
尾びれが短く、体型は丸く、頭に肉瘤が発達する品種が多い。

(関東)ランチュウ(蘭鋳、蘭虫、卵虫)

ランチュウ
ワキンが品種改良された高級魚。高いものは10万円単位である。
丸みを帯びた体型と頭部の肉瘤が美しい。
水質の悪化に敏感で体質的にはやや弱い面がある(ランチュウ養殖の宗家では、十分にプランクトンの繁殖した水での単独飼育を推奨された)。
本来はオレンジ一色か、オレンジと白の更紗模様だが、最近では、クロランチュウ・シロランチュウなども出回っている。

オオサカランチュウ(大阪蘭鋳)

別称は模様魚、関西蘭鋳。
大阪府など近畿地方を中心に飼育されているランチュウ。関東のものよりも頭部が小さく、肉瘤もあまり発達しないのが特徴で小さい花房がある。体色は更紗か、ジキンのような六鱗柄が好まれる。
1903年(明治36年)に鳥取県米子市在住の三好音次郎が発刊した『金魚問答』には本品種の更紗斑図は
24列挙されており、現在この品種を手掛けている篤志家諸氏の大きな指標となっている。
この品種の最も大きな特徴は尾である。体軸に対して平行についているとされる『尾先の割れない平付け丸尾』であり
、この尾の作出および維持には困難を要する。明らかに遊泳に不適当と思える尾であるから、
老熟魚においてスム-ズに遊泳を保っている個体群はほんの一握りであることも確認されている。
実際には、古い錦絵等に登場してくる本品種は尾先の割れた桜尾や四つ尾も見受けられ、
尾先の問題に関してはさほど執着はなかったような印象も受ける。太平洋戦争よりわずか数年後、
奈良県の西川養魚場で二歳魚、二十数尾が死亡したのを最後に純血種は途絶えてしまったとされている。
復元には上記の西川養魚場の努力もあり、近年、やっと往年の姿をした本品種も極めて稀にではあるが
、専門店等において見受けられるようになった。復元には島根県出雲地方の地金魚である『出雲ナンキン(天然記念物指定)』、高知県土佐地方の地金魚『土佐錦魚(天然記念物指定)』、中国花房、獅子頭蘭鋳が関与している。
本品種にはいくつものミステリアスな謎も多く、その一つに全盛期の本品種の実写写真が現在でも未発見、
未発表な事。更に現在の日本金魚界を席巻している蘭鋳と合同で品評会が開催されていた歴史上の事実があるにも関わらず、太平洋戦争を期に西川養魚場の育成池に二歳魚、二十数尾しか残存していなかった事。
これらの解明にはまだまだ時間がかかるものと思われる。現在、世界中で愛好されている金魚の数々の品種の中でも、最も真実の姿が伝達、継承されていないのも本品種の特長であろう。

ハナフサ(花房)

キンギョは鼻に小さな毛玉のようなものがあるが、それが巨大化し房状になった品種。
ランチュウ型のチュウゴクハナフサと、オランダシシガシラ形のニホンハナフサに分かれる。

エドニシキ(江戸錦)

ランチュウとアズマニシキの交配によるキャリコ柄。
作出されてから日も浅いため品種の固定が完全ではない。

サクラニシキ(桜錦)

エドニシキとランチュウを再び掛け合わせ(戻し交配)、
淡いピンクと白銀のウロコを持たせた雅な品種。肉瘤は発達しない。

ガトウコウ(鷲頭紅)

戦後、中国から輸入された品種。肉瘤の発達しない紅色の頭を持つ。
また体型も全く丸くならないのがほとんどだが、近年では頭頂部が大きく発達した体型の
丸い個体がタンチョウランチュウの名で市場に出回っている場合もある(なお「タンチョウ」については、オランダ獅子頭系を参照)。

イズモナンキン(出雲南京)

島根県の天然記念物。肉瘤の発達しない、リュウキンのような尖った頭部が特徴
。キンギョとしては珍しく、白っぽい体色のほうが好まれる。
江戸時代から松平家の保護の下、出雲地方で洗練されてきた。

ギンギョ(銀魚)

ガトウコウのような背びれのない細長い体と、セイブンギョのように青みがかった体色が特徴。
頭の肉瘤はほとんど発達しない。尾は短いものがほとんどだが、まれに長く伸びる個体も存在する。
セイブンギョ同様、腹部が白く退色した羽衣も見られる。

シュウキン(秋錦)

明治20年頃、愛知県豊橋市でランチュウとオランダシシガシラを交配して作り出された品種。
肉瘤の発達するランチュウ型の体型に、とても長く伸びるひれが特徴。
体色はオレンジと白の更紗模様が一般的だが、セイブンギョに近いギンシュウキン(銀秋錦)やエドニシキに近い
キョウニシキ(京錦)、サクラニシキに近いキョウサクラニシキ(京桜錦)なども存在する。
最近では肉瘤のあまり発達しない中国産の個体が「シュウキン」として出回っていることが多い。
国内産の個体は一時絶滅の危機に瀕したが、最近では徐々に復活し、希少種として珍重されている。

ツガルニシキ(津軽錦)

青森県の津軽地方で江戸時代より飼育されている品種。
ランチュウよりも長めのひれが下向きについている。3歳くらいまでは体色が現れず、野生のフナと同じような色をしている。
寒冷な気候には強いが暑さには非常に弱いため、飼育の際には注意が必要。

オランダシシガシラ系

リュウキンの変異種。鎖国時代長崎から入ったため「オランダ物」と呼ばれるが、
原産は中国である。「獅子頭」の名の通り肉瘤が発達し、体長も長くなった。一般に飼育しやすい。

オランダシシガシラ(和蘭獅子頭)

頭部の肉瘤が非常に発達している。手に入れやすく、飼育も簡単。

ジャンボ獅子頭(ジャンボオランダとも言う)

熊本県や長崎県など、主に九州地方で飼育されている品種。
体型や体色は普通のオランダシシガシラとほぼ同じだが、「ジャンボ」の名の通り、
非常に大きく成長するのが特徴。大きな個体では体長が50cm近くにまで達する。

アズマニシキ(東錦)

サンショクデメキンとの交配によるキャリコ柄。
英名は「キャリコオランダ」、エドニシキよりは遥かに安定している。

タンチョウ(丹頂)

オランダシシガシラの色変種。白い体と赤い頭部が丹頂鶴を思わせるので、この名を持つ。英名は「レッドキャップオランダ(Red Cap Oranda)」、中国語では「ホントウユイ(紅頭魚)」。

チャキン(茶金)

名前の通り、茶色い体色が特徴。頭部の肉瘤が発達するものとしないものとがある。
英名は「チョコレートオランダ(Chocolate Oranda)」、中国語では「紫魚(ツゥユゥイ)」。

セイブンギョ(青文魚)

「セイブン」とだけ言うこともある。キンギョでは珍しく、体色に青みがかっている。
特に腹部が白く退色した個体はハゴロモ(羽衣)と呼ばれる。

サクラアズマ(桜東)

ごく最近できた品種で、交配方法は謎に包まれている。
名前から推測するに、サクラニシキと同様、アズマニシキからの戻し交配かもしれない。
サクラニシキに似て淡いピンク色、残念ながら白銀のウロコは無いらしい。

デメキン他、一風変わった品種

デメキン(出目金)

リュウキンの突然変異が固定されたもの。名前の通り大きく飛び出た目が特徴。
中国から伝来した年代については、江戸時代初期と明治の2説がある。

チョウテンガン(頂天眼)

デメキンの変種。ランチュウに似た体型だが、やや細長い。
上を向く様な飛び出た眼球が特徴。

スイホウガン(水泡眼)

角膜が肥大して、リンパ液が入った水泡ができてしまった品種。
破れるとまず再生しないため、飼育には注意が必要。英名は「バブルアイ(Bubble
Eye)」 。

チンシュリン(珍珠鱗)

通称はパールスケール、特にピンポン玉のようにまん丸な体型のものはピンポンパール
と呼ばれる。ピンポンパールと呼ばれる珍珠鱗は、プクプクとした愛らしい体系な為、金魚好きには人気があるようである。
半円形に膨らみ、逆立っているように見える鱗が特徴。名前の由来はこの鱗が「真珠」(中国語で「珍珠」)のように見えることから。
スイホウガンと掛け合わせて、頭に水泡を持つハマニシキ(浜錦)が近年生み出された。

チョウビ(蝶尾)

近年出回り始めた中国金魚で、尾が蝶のように広がった品種。特に、白と黒(もしくは赤と白)の更紗模様の個体はパンダチョウビ

オレンジの体色に黒いひれの個体はレッサーパンダと呼ばれ、いずれも需要に生産が追いつかないほど人気が高い。
日本に輸入されるほとんどが出目性の個体であるが、「蝶尾」という品種名は出目性のものに限定されるわけではない。

ヤナギデメキン(柳出目金)

ワキンの体型に長い吹流し尾とデメキンのような大きく飛び出た目をつけたような品種。

今の段階ではあまり評価されていないため選別段階で処分されることが多く、市場にはあまり出回っていない。

その他

この他にも非常に多くの品種が存在し、更に新品種・外国産品種が続々と追加されている。品種として確立していない場合でも
、流通の過程や小売店で便宜的に名称を与え、新品種のように扱われている場合もある。

身体の特徴と代表的な品種

身体の特徴と代表的な品種

身体の特徴

体色

体色は白、オレンジ(金色)、赤、黒、茶などさまざまであるが、孵化してからしばらくの間はフナと同じく黒色をしており、ここから徐々に赤い色などに変化していく(これを褪色現象という)。
色は成長とともに変化することもあり、クロデメキンなど黒い色をしたキンギョでは数年経過してから褪色が始まり、金色になってしまうこともある。
キンギョの体色には、以下のような呼び名がついていることがある。

素赤 赤一色のもの。
更紗 赤と白による模様。そのうち赤の比率の多いものを赤更紗、白の比率の多いものを白更紗と呼ぶこともある。
キャリコ 赤、黒、白などによる複雑なまだら模様。
丹頂 頭頂部のみ赤で、他は全て白のもの。
背赤 背中のみが赤で、他は全て白のもの。
六鱗 口、エラぶた、ヒレのみが赤で、他は全て白のもの。
尾の形 キンギョの特徴の一つは、その独特な尾の形である。
フナ尾、吹き流し尾、三つ尾、四つ尾、そり尾、さくら尾、クジャク尾などといった種類がある。
特に、三つ尾、四つ尾など、尾ひれの背面側が癒合して腹面に向けて左右に分かれた形は、他の観賞魚の変異にも似たものが見あたらない。

代表的な品種

キンギョには約25の品種がある。品種には突然変異によるものと、
交雑によるものの2種類に大別できる。そもそも中国から伝来したワキンがフナの突然変異によるものだった。
ワキンの突然変異によって、リュウキンやアカデメキン、マルコが生まれた。
背びれのないランチュウはマルコが突然変異したもの。交雑の例としては、フナとリュウキンからテツギョが
、ワキンとリュウキンからワトウナイが生まれている。 比較的新しい品種としては、ハマニシキのほか
、昭和になってから原産地の中国から輸入されたスイホウガンやタンチョウ、合衆国から輸入されたコメットがある。

なお、キンギョの品種はそれほど固定したものではない。たとえばイヌであれば、
チワワ同志の交配ではチワワが必ず生まれるわけだが、キンギョではそうではない。
たとえばキンギョに特徴的な尾ひれの形である、左右に分かれた形(大きく左右1,真ん中上側1,上側が先で割れていれば4つ尾、割れていなければ3つ尾)の鰭を持たずに生まれて来るものがかなり多い。
フナと同じ様な鰭のものを鮒尾といい、生まれて来る子の半分近くがこれである。
また、中央上側が鮒尾の上半分になったものをつまみといい、これもかなり出る。
したがってこれらを取りのけなければキンギョの形にはならず、この選別作業は稚魚養育において重要な段階である。
ランチュウでは、背びれが出るもの、背中に棘がでるものなどもあって、一応まともにランチュウの姿になるものでも1割に満たない。

ペットショップにて売られている安価な金魚や金魚すくいに使われる金魚は、このように業者によって選別された、
比較的価値が低めの金魚である場合がほとんどである。そのため品評的な価値は(飼育者が満足する部分を除いては)ゼロである。

金魚の知識

ヒブナを観賞用に

キンギョ金魚、学名: Carassius auratus)は、フナの突然変異であるヒブナを観賞用に飼育、交配を重ねていった結果生まれた鑑賞魚。

キンギョの養殖方法

キンギョの増やし方は比較的容易である。また、親の捕食を防ぐため水槽は別途用意する必要がある。

 

キンギョの増やし方は比較的容易である。また、親の捕食を防ぐため水槽は別途用意する必要がある。

産卵

産卵期が春先であるため、水温を雄は3歳前後、雌は4歳前後を水温19度前後の水槽に入れる。
水槽にはシュロなどの魚のための産卵床(さんらんしょう)となりそうな物を入れる。意外ではあるが、亀の子たわしでも代用できる。
大量に産卵させたい場合は、シュロの皮を針金を用いて直径8cm長さ30cm程度のブラシ状にすると良い。
尚、シュロの皮が手に入りにくい場合は、ヤシの実の内皮(たわしの材料)でも良い。また、ホテイアオイの根も使える。
産卵もが、毎年使用できて、便利品である。こちら

 

卵は1mm前後である。産卵後は産卵された物を素早く別の水槽(水温は同じ)に移す。

なお、卵が生存しているか否かは、卵の色で判別できる。
生存している物は無色透明だが、死した卵は真っ白になる。

 幼魚

この時期注意することは、水温と水質である。 およそ1週間程度で孵るが、極めて小さいため視認が難しい。
当初はほとんど泳がず、水底にじっとしていることも多い。このため、循環式の浄化器などは幼魚が
巻き込まれることがあるため使用しない方がよい。水の浄化は水を入れ替えることにより行う。
週に一度、水の1/3程度を入れ替える。 最初は親とは似付かない体型をしている。この時与える餌はミジンコである。
若干、形状が変わった辺りから、イトミミズなどを与える。より小さい時期には、
ゆで卵の黄身を茶漉しで溶いて与えるのも有効であるが、水質を悪化させるため初心者向けではないとされている。

手軽なのは、やはりブラインシュリンプである。必要数に合わせて 手軽に自己管理が出来る。

キンギョの病気

キンギョを飼う際は、病気への十分な知識を持つことが重要である。

キンギョは、同じ観賞魚の熱帯魚と違って、天然に産するものではないため、非常に病気にかかりやすい。
キンギョを飼う際は、病気への十分な知識を持つことが重要である。疾病の発生要因の多くは、ストレスに由来する。

  • 餌の与えすぎ:キンギョには胃が無いので、いっぺんに大量の餌を与えてはならない。
  • 変質した餌:一度解凍した冷凍生き餌は与えてはいけない。
  • 開封後長期間放置した人工飼料も、脂肪が酸化しているので、与えてはいけない。
  • 酸素不足:飼育密度に応じたエアーポンプの設置が必要。
  • 急激な水温変化:水を一度に全部替えてはいけない。秋以降、ヒーターで保温すると良い。
  • 病気の魚を持ち込んだ:買ってきたキンギョは念のため、一時バケツなどにいれおいて様子を見ると良い。
  • pHの変化:キンギョは中性を好む。水道水のカルキ抜き・中和剤使用は必須。排泄物の分解で酸性になるので、定期的に水の入れ替えを。
  • 窒素循環:排泄されるアンモニアを無害化する硝化細菌を濾材で繁殖させる。濾材の目詰まりに注意。
  • スレ傷:ネットで掬うこともストレスを与える。
  • 過密飼育:酸素不足・pH悪化・アンモニア分解・スレ傷などの原因に繋がる。

病理

穴あき病

エロモナス属細菌の感染後、寄生体や細菌類が繁殖し、鱗が発赤>脱落>真皮露出>筋肉露出と悪化していく。
致死性は低いが、観賞魚としては見栄えが悪い。 専用の薬があるので、隔離して薬浴させる。

白点病

原生動物の[白点虫(イクチオイフリウス)]の寄生虫病。致死性・伝染性・進行性のいずれの点でも
、寄生虫病では最も危険な病気。下記のイカリムシとチョウのように虫が外部に張り付くのではなく、
上皮組織内に入り込んでしまうため後述のように薬剤の効きが悪く、治療が困難。水温25度以下の状態でかかりやすく、
水温・水質の変化等の急変によって体力の落ちた魚体に寄生する。4日~5日の周期で寄生→魚体より分離して増殖→寄生を繰り返す。
寄生している間は薬は効かない為、投薬にはタイミングが重要。一旦、白点が消えても水中で増殖している可能性があるので油断は禁物。
白点病で死んだ魚を気付かずほっておくと、寄生虫が大発生し水槽全滅の危険性もある。
外部からの白点虫侵入を防ぐ為にも購入した金魚は4~5日隔離して様子を見ることが必要。

イカリムシ症

イカリムシという寄生虫が固着する。致死性は低いが、傷口からの二次感染が怖い。

チョウ症

ウオジラミという寄生虫が固着する。容姿からチョウとも呼ばれる。
吸血する際毒液を注入し、キンギョに多大なストレスを与える。大きいため直接除去できるし、駆除剤もあるが、卵には効かないため、
濾過材と砂利を交換・洗浄して、卵が孵化するたびに根気よく駆除する必要がある。

水カビ病

水槽に常在している糸状菌(ミズカビ類)が、魚が弱っているときに付着繁殖して、綿毛のような群落を成す。
水カビが体表に寄生することで細胞膜の浸透圧調整機能が破壊された結果として死に至るため、
水槽に塩を入れて浸透圧を調整することで延命が可能。水温20度以下になると発生しやすくなるため、
秋以降ヒーターでの水温調節が予防に重要である。

転覆病

前後の浮袋のバランスが崩れる原因不明の難病。横転して動かなくなり、餌を食べず、
徐々に弱って死んでいく。完全に浮上転覆してしまうと、空気に触れた腹部が爛れてしまい急死することもある。
ランチュウのような丸っこいキンギョほどかかりやすい。

カラムナリス病

文字通りカラムナリス菌の感染症で、グッピーやエンゼルフィッシュの尾ぐされ病の原因と言った方が分かりやすい。グッピーの尾ぐされと同様、強力な組織の溶解を引き起こす。水槽に塩(普通の食塩でよい)を0.5%いれておくと予防に有効。

運動性エロモナス病

常在菌のエロモナス菌の引き起こす病気で、魚が弱ると感染し、二種類の症状がある。
一つは、まつかさ病で、鱗が逆立ってしまう。(ちなみにピンポンパールの鱗の逆立ちは生まれつきなので問題ない。)
もう一つが、赤班病で、皮膚や鱗に皮下出血が見られる。魚が急激に弱る。いずれも皮下組織の病気で、根気よく治療する必要がある。

風船病

ピンポンパール(短尾珍珠鱗)に特有の病気。主に腹部や尾部の皮膚に風船状の水疱(みずぶくれ)が複数発生する。
血液状の液体で満たされた血腫状のふくらみになることもある。ガマガエル症候群(ガマ病)という呼び名もネット上では散見される。
原因は不明だが、エロモナス属細菌の感染によるものであり、まつかさ病がピンポンパールの硬い鱗のために水疱状を呈するのではとの
推測もある。難治性で致死率も高いとされるが、滅菌性の薬剤(ニトロフラゾンなど)により薬浴させて2週間ほどで治癒した報告もある。

病気の診断方法

  • 口がただれる:カラムリナス病の口ぐされ
  • えらに黄色い粘液が付着:カラムリナス病の鰓ぐされ
  • 体表に小さな白点ができている:白点病
  • 体表が点状出血・体表全体の内出血で赤くなる:運動性エロモナス病の赤班病
  • 体表の鱗1・2枚程度の表皮白濁と周囲の充血:穴あき病の初期症状
  • 体表に穴があく:重症の穴あき病
  • 体表の鱗が逆立ち、キンギョがまつかさのようになる:運動性エロモナス病の松かさ病
  • 体表に綿状のものが付着:水カビ病
  • 体表に直径3~5mm程度の半透明・円盤状の虫が付着:チョウ症
  • 体表に1cm以下の細いひも状のものが突き刺さる:イカリムシ症
  • ひれの先端が白濁する:カラムリナス病の尾ぐされ病の初期症状
  • ひれ全体が腐り、扇の端がバラバラになる:重症の尾ぐされ病
  • ひれ全体が赤く充血する:赤班病
  • 正常に遊泳できず、横転・転覆する:転覆病
  • くしゃみのようなしぐさをする:お腹を壊している

病気の治療法

  • 細菌が原因の場合
    • オキソリン酸・塩酸クロルヘキシジンなど抗生物質の投与。
    • 入れすぎに注意。
    • 水槽に入れてしまうと硝化細菌も一緒に死んでしまうので、できれば隔離したほうがいい。
  • カビ・原生動物
    • メチレンブルー・マラカイトグリーンなど色素剤投与。
    • 薬剤が光分解されることや、溶存酸素が減るので注意。
  • 寄生虫
    • トリクロルホン(有機リン剤)投与。
    • 神経毒の薬物であるため、入れすぎ・魚へ直接かけてはいけない。
  • 浮袋の異常
    • 有効な治療法無し。
    • 浮上転覆に伴う爛れは、抗生物質で治療する。
  • お腹を壊している
    • 数日間、餌を与えない。
    • その後、稚魚用の餌またはプランクトンを少量与え、徐々に量を増やしていく。

キンギョ

原産地は中国。淡水性の魚類で草食性。金魚の歴史

概要

原産地は中国。淡水性の魚類で草食性。卵生で、水中の植物に産卵する。通常30cm程度まで成長する(記録は59cm、体重3kg)。
寿命は10年~15年(記録は43年)。生存可能な水温は0度~41度。学名のauratusはラテン語で「金色の」という意味。
はじめに学名をつけたスウェーデンの生物学者カール・フォン・リンネは、
キンギョをフナではなくコイの仲間とみなし、Cyprinus auratusと命名している。

産地は全国各地にあるが、愛知県弥富市、奈良県大和郡山市、江戸川下流域はキンギョの三大養殖地として知られており、他にも山形県、熊本県玉名郡長洲町などが有名である。また近年では
江戸川下流域から埼玉県北部及び茨城県南部へ生産拠点を移す業者が増えている。
各地に美しい魚体の保存・鑑賞を目的とした、愛好会・保存会が多数存在する。

歴史

中国

金魚は長江下流域の浙江省近辺が発祥の地とされている。
魚類の飼育としては最も歴史があり、中国では南北朝時代には既に飼育されていたが、当時はまだ一般的ではなかった。
養殖が盛んに行われるようになったのは宋代に入ってからであり、
明代には品種も増えた。中国の金魚は長らく皇帝・皇族・貴族・士大夫らによって飼育・愛玩されてきたものであった。
このため文化大革命においては「旧文化」として非難・攻撃・破壊の対象となり、生産・飼育とも壊滅状態に陥った。
文革後日本の生産者らの協力により復興し、日本のような大量生産も始まった。
庶民に流通するようになったのは改革開放政策実施後のことである。現在は中国伝統の特産物の一つとされ、
生産者は政府の支援を受けるに至っている。

日本

日本では鎌倉時代にはその存在が知られていたが、金魚そのものは
室町時代に中国から伝来した。江戸時代に大々的に養殖が始まったが、江戸前期はまだまだ贅沢品であった。
江戸前期の豪商淀屋辰五郎は、天井にとりつけたガラス製の大きな水槽の中に金魚を泳がせ、
下から眺めることにより暑気払いをしたと伝えられている。金魚売りや金魚すくいをはじめ、
江戸中期にはメダカとともに庶民の愛玩物として広まった。1748年に出版された『金魚養玩草(きんぎょそだてぐさ)』が
飼育熱を生んだといわれている。ただ当時は今のような飼育設備もなかったために、池を持っているような
武士・豪農・豪商でもなければ金魚を長く生かし続けることは不可能であった。
庶民は金魚玉と呼ばれるガラス製の球体の入れ物に金魚を入れ軒下に吊るして愉しんだり、
たらいや陶器・火鉢などに水を張って飼育したようである。化政文化期には現在の三大養殖地で大量生産・流通体制が確立し、金魚の価格が下がったことから本格的な金魚飼育が庶民に普及。品評会が催されるようになったほか、
水槽や水草が販売され始めるなど用具の充実も見られた。当時の浮世絵や日本画の題材としても広く取り上げられている。
幕末には金魚飼育ブームが起こり、開国後日本にやってきた外国人の手記には、庶民の長屋の軒先に置かれた水槽で金魚が飼育されているといった話や金魚の絵などが多く見られる(エメェ・アンベール『絵で見る幕末日本』(講談社学術文庫)ほか)。
明治時代以降学校での飼育が始まり、第二次世界大戦後は理科の教材として取り上げられ更に普及した。
現在も縁日や夜店の金魚すくいなどを通じて日本人には馴染み深い。

アジア

 

金魚は18世紀に中国からヨーロッパにわたり、ペットとして飼育されるようになった。
またアメリカには幕末の日本から移入された。熱帯魚には金魚のような赤白がはっきりした色を持つものが少なく、
最近は goldfish という名でペットとして、また投資の対象として人気が出ている(同様の理由で錦鯉も人気がある)。
また金魚・錦鯉は屋外飼育が可能なためガーデニンググッズとしても注目されている。
ヨーロッパやアメリカで作り出された品種も数種存在する宇宙へ

1994年7月8日には、宇宙酔いなどの研究のため、弥富町(当時)産の6匹のキンギョが向井千秋宇宙飛行士らとともに
スペースシャトル「コロンビア」号に搭乗した。